甲状腺がんとは

甲状腺がん

甲状腺がん

甲状腺は、喉ぼとけのすぐ下にある蝶のような形状をした小さい器官です。年齢別疾患率は30歳頃から高くなり若年女性に比較的多いがんです。

2011年に起きた東日本大震災によって福島第一原発事故が発生したのは記憶に新しい出来事かと思います。そして、東日本大震災の被害状況を知らせるニュースとともに、福島第一原発から漏れた放射線被爆により、甲状腺がんや白血病のリスクが上がるといったニュースも同時に取り上げられ、甲状腺がんの認知度は以前よりも高くなってきています。

そうした世間的な流れもあり、甲状腺がんについてのニュースが多く報道されるようになっていく一方で、甲状腺がんに対する誤った内容のニュースが多いのも事実です。そこで、このサイトでは甲状腺がんについて詳細に説明してきました。本記事はそのまとめとして各記事で扱った内容のまとめを行い、皆さんの甲状腺がんに対する知識をより深めていただければと思っています。

まず初めにそもそも甲状腺がんとはなにか、ということについて説明します。甲状腺がんは甲状腺にできた悪性の腫瘍のことで、この甲状腺がんはその構造(組織)によって乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫などに細かく分類されています。このように甲状腺がんの種類は多岐にわたり、その種類によって悪性度や進行の速さなどは異なってきます。

甲状腺とは

甲状腺がんの細かい内容に入る前に、そもそも甲状腺とはどこにあり、どのような機能をしているのかについて説明します。甲状腺は俗に言う「のどぼとけ」のすぐ下にある、重さ約10〜20gの小さな臓器です。甲状腺からは甲状腺ホルモンが分泌されますが、その甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。その他にも脳の活性化や体温の調節、心臓や胃腸の活性化などの機能を担っている

初期症状と診断

甲状腺にできるがんが甲状腺がんですが、甲状腺がんはほとんど症状が出ないがんとして知られ、検診で行われる超音波検査やPET検査で偶然見つかることがしばしばです。ですから、初期症状がどのような症状があるのかを知り、初期症状が出たら迅速に病院を受診できるようにすることが診断の近道でしょう。そこで、重要になるのが喉仏の下のしこりができたり、声が枯れるといった初期症状です。これらの初期症状が出現した際には甲状腺がんをを疑うことがあります。

このような初期症状や超音波検査など簡便な検査で甲状腺がんが疑われば、次に甲状腺がんの種類やその広がりを確認するため追加で様々な検査が行われます。具体的な内容は下記の記事を読んでいただきたいのですが、穿刺吸引細胞診や病理検査で甲状腺がんの種類を判断します。合わせてCTやMRI等画像検査を行い、甲状腺がんが甲状腺内に留まっているのか、あるいは他の臓器に転移しているのかなどを調べます。

甲状腺がんは症状からその存在を認識するのは非常に困難を極めますが、早期に発見することができれば進行を抑制し予後良好となることが多いがんです。下記の記事では甲状腺がんについての初期症状や検査、検診にかかる費用などを細かく説明しています。一度目を通し、甲状腺がんの早期発見に役立ていただければ幸いです。

甲状腺がんの初期症状と検査方法、検診に掛かる費用とは

原因と特徴

甲状腺がんの原因として確実とされているのが放射線の被爆です。特に、小児期に放射線の被爆にあうと甲状腺がんになるリスクは上がります。実際に、放射線影響研究所の発表によれば放射線被爆量が多ければ多いほど、甲状腺がんの発症リスクは増加しているという報告があります。

その他にも、乳頭がんは海藻類などをよく食べる国々(ヨード摂取充足地域といいます)で割合がさらに多くなります。また、髄様がんは血縁のある家族内に甲状腺がんになった人がいれば、髄様がんが発生しやすくなるとされています。このように放射線、海藻類、遺伝が甲状腺がんの主な原因とリスクとして挙げることができます。下記記載の記事で甲状腺がんの主な原因と特徴についてより詳細にまとめていますので一度読んでいただければ幸いです。

甲状腺がんになりやすい人の特徴や原因リスクについて

ステージ別生存率

甲状腺がんだけでなく、がんのステージ別の生存率はそのがんの悪性度を示す指標として用いられます。甲状腺がんにはその大きさや浸潤度合、そしてリンパ節転移や遠隔転移の有無によって病期と呼ばれるステージ分類が決められています。そして、その病期によって5年生存率が異なります。

甲状腺がんはステージ別の生存率を比較してみると、他のがんに比べて悪性度はあまり高くないと言えます。とはいえ、甲状腺がんが進行すれば他のがんと同様、死をもたらしてしまう可能性は十二分にあります。

そこで、下記記事では、甲状腺がんのステージ別生存率と平均余命を比較検討しています。ぜひ一読していただき、がんによってこんなにも悪性度が異なるのかとういうことを知っていただければ幸いです。

甲状腺がんのステージ別生存率と平均余命

治療と副作用

甲状腺がんには病期やその種類によって治療方法が異なります。標準的な治療は手術であり、補足的に放射線や化学療法などを行っていきます。これら治療は有効性が示されているため選択されることが多い治療ですが、どんな治療にも必ず副作用が生じてくるのは避けられません。

しかし、そういった副作用をどうとらえるか、治療しないでいることと治療することとを天秤をかけて判断することが非常に重要になっていきます。また、施設によって治療方法の選択肢も異なります。どのような治療方法があり、そのメリットとデメリットはどのようなものがあるか下記の記事でまとめていますので、ぜひ一読して知っていただければと思います。

甲状腺がん治療と副作用について

病院手術数ランキング

伊藤病院、隈病院、野口病院は甲状腺あるいは甲状腺を含む内分泌疾患を扱う病院として知られています。特に前2つの病院は甲状腺に特化している病院として知られています。そのため、これら病院は甲状腺がん患者数も多く、その手術数は自然と多くなり、それが連鎖となりこのような結果になっていると思われます。

しかし、単純に手術件数を比較することは良くありません。もちろん、手術件数が多い方が経験件数も多いため、合併症等のリスクは減るかもしれませんが、その病院でどういった手術を行っているかは検討した方が良いです。

具体例を挙げると、甲状腺未分化がんは非常に悪性度が高く、患者さんの状態によっては手術できないという病院も中には存在します。ですから、甲状腺がんと診断された病院に紹介状を書いてもらう際には希望を伝えると同時に、どのような治療が可能なのかなども聞いてみてもよいでしょう。ぜひ下記記事を一読していただき、自分の近くに甲状腺がん治療に強い病院がないかどうか調べてみてはいかがでしょうか。

経歴:

中学生の頃祖母を肺癌でなくし、自分の無力感から医師を志す。高校卒業後は地元の横浜市立大学に通いながら、様々なメディアを通じて記事を作成。2017年から地元の市民病院で研修医として働き、2019年から念願の医師として奮励する。