抗がん剤の先発医薬品とジェネリック医薬品は同じもの?

医療費削減のため、以前から国が推奨していることもあり「ジェネリック医薬品」はだいぶ身近に浸透してきたように思います。

私たちにとって、ジェネリック医薬品は薬代が安くなるというメリットがありますが、そもそもなぜ安く購入できるのでしょうか。安いから先発医薬品ほど効果がないのでしょうか?

安いだけで効果が出づらい抗がん剤なんて信用できませんよね。

今回は、抗がん剤のジェネリック医薬品に関する疑問についてご説明します。

ジェネリックってどんな薬?

「ジェネリック(医薬品)」とは開発から20年以上経ち、初めて開発した製薬会社の特許が切れたため、別の製薬会社によって製造・販売された医薬品のことで「後発医薬品」とも呼ばれます。
また、それとは逆に最初に開発されたものは「先発医薬品」と言います。

国がジェネリックを推奨していることもあり、あらゆる医薬品でジェネリックが誕生しています。
これは抗がん剤に関しても同様で「カルボプラチン」「パクリタキセル」といった比較的よく使われる抗がん剤もジェネリックとなります。

抗がん剤は高い?

抗がん剤は人の体に大きな悪影響を与える可能性がある薬ですので、承認基準が厳しいということもあり、最初に開発を始めてから世に出回るまでに長い期間を要します。さらに、そこに多額の開発費がかかります。

開発まで時間とお金がかかる分、製薬会社がそれらの費用を回収するため薬価も高くなりがちです。

一方、患者側の視点から見てみると、抗がん剤といえば一時的な手術や放射線と違い、数か月から数年という長期戦での治療になります。
高価な薬を長期的に使用しなければならないのですから、治療費は容易に跳ね上がってしまいます。

薬の種類にもよりますが、ジェネリックは先発医薬品に比べ薬価がおよそ6割ほどになります。

抗がん剤は、長く使うことに加え一度に数種類の薬を併用することもよくありますので、この金額の差はとても大きいのではないでしょうか。

ジェネリックは安全?

ジェネリックを治療に用いるにあたって、安さ以上に有効性や安全性が気になります。
ジェネリックはそれらの点で先発医薬品と同じなのでしょうか。

ジェネリックの成分に関しては、新薬と同じ有効成分が同じ量含まれています。
そして、その有効成分が体に吸収される早さ・量も同じです。
新薬と異なる点に「添加剤」というものが配合されていることが挙げられますが、添加剤が含まれていても効き目や安全性に差はなく体への悪影響もありません。

ジェネリックといえども多くの人が使いますから、国の承認基準が厳しいことには変わりありません。
有効成分の量や体内で溶ける程度、品質の保存可能レベルなどが先発医薬品と同等であると保証されています。

薬価が安い理由は、先にも述べましたが、先発医薬品のように開発に要する費用が少なく済むからであり、品質が劣るからではありません。
加えて、製造管理や品質管理体制も厳しく定められていて、安全性という点でも先発医薬品と同様、安心して使用できると言えるでしょう。

参考 厚生労働省ホームページ 後発医薬品に関する基本的なこと

ジェネリックが使えたとしても

ではジェネリックを使いたいと思ったらどうすれば良いでしょうか。

抗がん剤に限ったことではありませんが、医師が処方する薬に関しては処方する医師が「ジェネリック不可」とすれば、患者が勝手にジェネリックに変更することはできません。

医師の中には、ジェネリックの安全性は確保されているはものの、すべてが同じレベルの薬とは言えない、あるいは添加剤が無害とはいえ100%先発医薬品と副作用が同レベルとは断言できない、などと言う理由でジェネリックの処方に積極的でない人もいます。

ですので、処方箋が発行される内服薬などの抗がん剤の場合は、担当医にジェネリックを使用したいと相談する必要があります。

また抗がん剤は院内での点滴でも行われますが、病院内では同じ有効成分である先発医薬品とジェネリックを数種類揃えていないことが多いので、この場合、患者がジェネリックを指定することはほとんどできないと思われます。

さらに、がんを専門とする大きな病院の多くは「診断群分類別包括制度」を導入しています。
この制度は、同じ病名であればどんな治療を採用しても病院の収入は同じというもので、患者からするとジェネリックを使っても使わなくても治療費の負担は変わらない仕組みです。

このように院内で使う抗がん剤は、残念ながらジェネリックの希望が通らなかったり、もし使用できたとしても治療費は変わらない可能性があることをあらかじめ理解しておいていただきたいと思います。

ジェネリックの効果効能は先発医薬品と同じ

ジェネリックは、効果効能・安全性という点で先発医薬品と同様であることがわかりました。
これで使用にあたって安心してお使いになれると思います。
抗がん剤の選択は担当医の裁量の部分もありますので、興味がある方は医師に相談してみてください。

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