抗がん剤を使うことで死ぬことは有るのか

薬の副作用については皆様すでにご存知だと思います。薬局などですぐ手に入る市販の風邪薬でさえもさまざまな副作用があります。そして当然、抗がん剤にも副作用があります。

副作用は、抗がん剤ががん以外の正常細胞も攻撃してしまうことにより発症します。そしてその副作用がときに人の命を奪うことにもつながります。

今回は、抗がん剤の副作用によって死が起こり得るということをテーマにお話ししたいと思います。

抗がん剤の投与は慎重に

抗がん剤は、点滴・注射・飲み薬として体内に入り、血流にのって全身を巡ります。

そのような抗がん剤の特徴によって「全身に広がってゆく」がんに対抗することができるのですが、全身を巡る分、正常な細胞にも影響を及ぼします。これが副作用の原因です。

ゆえに、副作用は全身のいかなる場所にも現れる可能性があります。

副作用をなるべく回避するため、抗がん剤は多くの場合、患者の体重と身長から使用量を割り出し、その規定量を投与計画にのっとって使用してゆきます。

このように、人間に使うにあたって厳密に管理して使う必要がある薬なのです。

さらに、抗がん剤は基本的に80代以降の高齢者に対しては使用しません。高齢者が抗がん剤を使った場合、体力という点で負担が多きすぎるからです。そういった点でも抗がん剤の副作用は決して軽いものではないと言えるでしょう。

抗がん剤を中断するとき

そんな体への影響が大きい抗がん剤ですが、スケジュールの途中で抗がん剤の使用を止めるケースがあります。

抗がん剤を中断するときというのは

  1. 自分の希望で止める
  2. 完全緩解(がんが見えなくなった)したら
  3. 副作用が強いとき

おおむねこの3つです。

今回のテーマである3.の副作用のうち「骨髄抑制」について注目してみます。

骨髄抑制というのは、骨の中にある組織である「骨髄」に存在する細胞がダメージを受けて、血液の成分が作られにくくなることです。

作られにくくなった成分によって症状は違います。例えば白血球が減少すれば免疫が下がり感染症にかかりやすくなりますし、血小板が減少すれば出血しやすいといったことが起こります。

骨髄抑制は多くの抗がん剤に見られる副作用で、軽度で済んだり、他の薬で血液成分が回復することもありますが、重度の骨髄抑制を発症した場合は、患者の生命を脅かす状態となり命を落とすことがあります。骨髄抑制は大変危険な副作用なのです。

夢の薬オプジーボ

「オプジーボ」という抗がん剤をご存知でしょうか。

オプジーボは2014年にメラノーマ(皮膚がんの一種)の抗がん剤として保険適用となったことを皮切りに、肺がんや腎臓がんなどここ数年で多くの人が使えるようになった抗がん剤です。

免疫チェックポイント阻害剤という、従来の抗がん剤とは異なる画期的な作用によってがんを効果的に叩くことができると言われ「夢の薬」と臨床現場でその効果が期待されました。

しかし、2019年5月、オプジーボを投与したがん患者11人に脳の機能障害が発症し、うち1人が死亡した事例が発症しました。厚生労働省では、オプジーボの添付文書に、これを重大な副作用と記載するよう製造会社に指示を出しています。

参考:産経ニュース2019.5.9 記事

最新の抗がん剤でさえ、このように命を落とすこともあるのです。

オプジーボは確かに画期的で優れた薬ですが、このようなことが起こる限りまだまだ越えなければならない高い壁が存在しているようです。

抗がん剤で死ぬことのない未来を願って

残念ながら今もなお、抗がん剤は直接的、間接的にも死を招いてしまう可能性があるのが現実です。もっとがんに効いて、もっと体に優しい抗がん剤が登場し、がんが怖くなくなる時代が来ることを願ってやみません。

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